【令和8年度】埼玉県予算案から、今すぐ準備すべき設備投資戦略

2月19日に、埼玉県のホームページにて、令和7年度2月補正予算案および令和8年度予算案が発表されています。

行政の資料は、一見すると事務的な名称や文書番号で並んでおり、どの施策が自社の経営課題に直結するのか、判別が難しいのが実情です。

しかし、これらの資料には、「地域経済をどう活性化させるか」という県の方針と、それを具現化するための支援策が克明に記されています。本記事では、特に注目すべきポイントを整理しました。

来年度予算を待つのは出遅れ確定?

高市内閣が掲げる「責任ある積極財政」の号令のもと、国の令和8年度予算案は、これまでの緊縮ムードを一新する内容が期待されています。 周知の通り、来年度予算は4月以降にずれ込む見込みです。しかし、ビジネスの現場に「待ち」の選択肢はありません。

そこで注目したいのが、発表されたばかりの埼玉県の予算案(産業労働部)です。 特筆すべきは、「令和7年度2月補正予算」。これは、国の動きを先取りする形で、直近で施行される強力な支援策です。

注目すべき2つの「強化された支援策」

今回の予算案で、IT・経営コンサルの視点から「これは見逃せない」と断言できるのが以下の2点です。

① 省力化支援

これは、昨年度、弊社も多くの採択支援を行った「人手不足補助金」に近い制度になると予想できます。

実施スケジュール7月申請、8月採択、9月から実施(令和7年度人手不足補助金)と、スピード感ある案件になると思われます。
支援カルテ人手不足補助金(設備更新)と似たものになるでしょう。並行して実施される専門家派遣は予定数が決まっているため、最寄りの商工会・商工会議所や弊社含む認定支援機関への相談が必須となります。
補助率1/2という埼玉県長年の慣例をやぶり、原則2/3・賃上げを行う場合は4/5という手厚さを打ち出しています。
補助対象経費後述するDX支援が実施されることから、機械設備が中心で新規導入の他に既存設備の更新も対象となる可能性が高いです。

② DXに対する支援

もう一つの目玉となるのが、生産性向上を目的としたDX支援です。

補助率はなんと3/4、労働生産性を向上させるためのソフトウェアやデジタル設備の導入が狙いとなるでしょう。
補助率がこれほど高い制度は稀です。投資額のわずか25%の自己負担で、会社のデジタル基盤を刷新できるチャンスです。

埼玉県から経営者へのメッセージ

これほど手厚い支援策を提示している背景には、「今こそ企業に動いてほしい」という強い意図があります。

補助金を活用することは、決して「公金に頼る」ことではありません。
「国や自治体の政策目的に沿って、自社の付加価値を高め、ひいては地域経済や雇用に貢献する」という、経営者としての正しい意思決定です。

新年度を待ってから動くのでは、こうした「地域のチャンス」を逃してしまう可能性があります。2月補正で示された方向性をいち早く自社の投資計画に落とし込むことが、先行者利益につながります。

採択への最短ルート

補助金は「出たから出す」では間に合いません。
特に今回のようにスピード感が求められる場合、以下の準備が不可欠です。

  1. 「要件定義」を今すぐ始める: どの業務をどんな機械設備で省力化し、どのITツールでDXを実現するのか。4月を待たず、今この2月・3月のうちに固めておく必要があります。
  2. 伴走者の確保: 昨年の「人手不足補助金」でもそうでしたが、好条件の補助金ほど、支援の専門家の枠はすぐに埋まってしまいます。

最後に:埼玉から「攻めの経営」を

高市政権が旗を振る「責任ある積極財政」という大きな波。その真の目的は、単なる予算のバラマキではなく、未来に対して投資を行う経営者の背中を押し、日本経済の足腰を強くすることにあります。

しかし、いかに国や県が強力な号令をかけ、手厚い支援策を用意したとしても、現場の経営者が「投資」という一歩を踏み出さなければ、そのチャンスが実を結ぶことはありません。補助金はあくまで呼び水であり、主役はあくまで、現状を打破しようとする皆様の決断です。

特に今回ご紹介した「2月補正」は、国の新年度予算を先取りして動ける、埼玉県独自の大きなアドバンテージです。「来年度の下期あたりに設備投資を」と漠然と考えていたのなら、今、この瞬間こそが具体的なプランニングを開始すべき絶好のタイミングとなります。

募集が始まってから検討する「後追い」ではなく、予算が発表された今から準備を始める「先行」の構え。このわずかなスピードの差が、数ヶ月後の事業の競争力を大きく左右します。


埼玉県内の事業者の皆様、この「2月補正」という千載一遇の好機を、単なる公的支援の受給で終わらせるのではなく、自社を次なるステージへ引き上げる「攻めの経営」の原動力に変えていきませんか?

他社に先駆けて次の一手を打ち、地域経済の牽引役となる皆様の挑戦を、私たちは全力で後押ししたいと考えています。

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