
多くの診断士が公的支援の分野を中心に重要な役割を果たしていますが、近年、IT導入やDX推進、WEBマーケティングといったニーズがますます高まっています。
デジタル技術の進歩により、専門的な知識・スキルが無くても取り組むことができる様々なツールが提供されるようになり、今までIT導入に消極的だった中小企業内においてもDX化の機運が高まっている風潮を感じられることも多いのではないでしょうか。
こうしたビジネスの分野で、さらなる価値を提供するために必要なスキルを身に付けることが、診断士としての活動の幅を広げるとともに、中小企業診断士全体の知名度や社会的地位の向上にも繋がると考えています。
令和6年度・7年度上期に引き続き、令和7年上期の「ステップアップ研修」として、「中小企業のDX推進支援実践講座」を開催いたします。本研修では、実際に民間ビジネスとしての活動をしている講師陣が、具体的な事例やノウハウを交えて、即戦力として活用できるスキルをお伝えします。
講座概要
| 講師 | ITコーディネータ 下山 貴 Day1 Day3 Day4ITコーディネータ 佐合 和行 Day2 |
| 開催日程 | Day1 2025年12月6日(土) 中小企業向けITツールの選定と導入Day2 2025年12月14日(日) SNSマーケティングのビジネスモデル構築Day3 2026年1月10日(土) 構造化データの基礎と活用実践Day4 2026年2月7日(土) 診断士のための生成AI実務活用と導入支援 |
| 会場 | 埼玉県中小企業診断協会 会議室 |
| 会費(税込み) | 【全4日間コース】38,500円 【単日コース】11,000円 |
| その他 | ・受講時にはオフィスソフトが使えるPCを持参してください |
講師プロフィール
下山 貴
しもやま たかし
中小企業診断士・ITコーディネーター
略歴
2000年にIT業界へ転職後ITベンダー2社でシステムエンジニアとして従事、2019年2月にITコンサルタントとして独立、同年5月診断協会入会。2022年法人設立し、現在4期(独立後7期)目。情報通信工学士、情報処理安全確保支援士(第000330号)、HTコンサルティング合同会社 代表社員。

佐合 和行
さごう かずゆき
中小企業診断士・ITコーディネーター
略歴
学習院大学卒業後、大手印刷会社に入社。2022年診断士登録。現在は営業職として、主に企業のSNS戦略・運用を中心としたデジタルマーケティング支援に従事。SNSプロデューサーとして、各種セミナーにも登壇実績多数。

講座内容(予定)
Day1 2025年12月6日(土) 10:00~16:30
中小企業向けITツールの選定と導入
本研修では、中小企業支援におけるITツール導入を切り口に、支援者自身の提案力と実務力を高めることを目的としています。午前中は、企業支援をビジネスとして展開する際の収益基盤やサービス提供の方法について学び、さらに最新のITトレンドや用語を整理することで、診断士として提案に必要な知識をアップデートします。午後は、事業活動に活用できる各種ITツールの特性を分析し、導入によってもたらされる効果や収益化の可能性を診断。収益性や業務改善の視点を踏まえたアプローチを検討します。最後に、日常業務に直結する基本的なITツール操作を体験する実践研修を通じて、導入支援に必要な具体的スキルを身につけます。全体を通して、IT導入を単なる操作レベルにとどめず、企業支援ビジネスの拡大と安定に結びつける視点を養う内容です。
Day2 2025年12月14日(日) 10:00~16:30
SNSマーケティングのビジネスモデル構築
近年、「SNS支援」や「ウェブマーケティング」を得意分野と掲げる診断士やコンサルタントが増えています。しかし実際にクライアントの成果につながっているでしょうか。ただ投稿の方法や内容を教えるだけでは、支援として十分ではありません。本研修では、名刺やプロフィールに記す「SNS支援」という一言に説得力を持たせるための実践的な内容を学びます。コロナ禍を経て金融機関の融資審査は厳格化し、計画の説得力がますます重視されています。その中で、フォロワー数や継続的な発信が審査担当者に好印象を与えるケースも増えています。さらにSNSは販売促進や資金調達にとどまらず、人材採用の手段としても注目されており、自社の魅力を直接発信する広報戦略の中核となりつつあります。今こそ「映える投稿」に依存した感覚的な使い方から脱却し、数値に基づく戦略的なSNS活用を習得することが求められています。
Day3 2026年1月10日(土) 10:00~16:30
構造化データの基礎と活用実践
データを正しく活用するには、まず整理された「構造化データ」として扱うことが不可欠です。本研修では、その基本を理解することから始めます。最初に、構造化と非構造化データの違いを学び、中小企業における活用の意義や課題を整理します。続いて、表計算ソフトを用いた演習を通じて、入力ルールや形式統一といった整理の基本技術を実践的に体験します。午後は応用編として、データベースが業務プロセス改善に果たす役割を解説し、表計算との違いやメリットを理解します。最後に、ノーコードツールを用いた演習で、実際にアプリを作成し、データの入力・検索・集計を試すことで、業務にどう活かせるかを体感します。研修全体を通じて、参加者は「データを資産化するための基礎知識」と「現場で使える実践スキル」を両面から習得できます。
Day4 2026年2月7日(土) 10:00~16:30
診断士のための生成AI実務活用と導入支援
生成AIを業務に取り入れる際には、その仕組みや特性を理解するだけでなく、セキュリティやコンプライアンス面でのリスクにも目を向ける必要があります。本研修では、まず生成AIの基本概念を整理し、中小企業診断士が実務にどう活かせるかを具体的な事例を交えて学びます。続いて、AIツールを実際に操作するハンズオン体験を通じて、資料作成や調査補助などで役立つ実践スキルを身につけます。さらに、顧客企業への導入支援を想定し、導入プロセスの設計、リスク管理、セキュリティ基準への対応、運用定着に向けたガイドラインづくりを解説します。研修全体を通じて、受講者は「自ら生成AIを安全かつ効果的に活用する力」と「顧客にリスクを踏まえた導入支援を行う力」を体系的に習得し、実務に直結する実践力を高めることができます。

