第13回DX検定™の結果が発表されました

私は、ITコンサルタントとして日々クライアント企業のDX支援に携わっている立場です。トレンドや技術が日々進化する中で、常に最新の知識を持ち、適切なアドバイスを提供することが求められていると感じ、デジタル技術に関する自分の知識を体系的に整理し深めるために「DX検定」を受験しました。本記事では、試験結果とともに、DX検定を通じて得た学びや試験の内容、感想についてご紹介します。

受験のきっかけ

ITCA(ITコーディネータ協会)の会員向けメールでこの試験制度を知りました。DXの概念や関連技術は、今や企業の競争力を左右する重要な要素となっています。しかし、その複雑さから全てを把握し、クライアントに分かりやすく伝えることは簡単ではありません。私自身、これまでの経験で得た知識に加え、体系的な知識を再確認することで、具体的な提案やサポートができるようになりたいと考え、受験することにしました。

DX検定™の概要

主催日本イノベーション融合学会(IFSJ)
検定概要これからの社会の発展・ビジネス全般に必要な、デジタル技術による
ビジネスへの利活用を考えるDX推進人財のために、毎日爆発的に増加
するDX関連用語を確かな知識にするための、「先端IT技術トレンド」
と、「ビジネストレンド」を出題するDXリテラシー検定です。
出題問題最新IT技術分野・ビジネストレンド分野全般の必須知識項目から出題。
試験形式60分間で120問の知識問題(多肢選択式出題)Web受検
公式サイトhttps://www.nextet.net/kentei/test/index.html

学習プロセス

ITCA会員の割引価格で購入できるeラーニング教材を購入しました。内容は、本試験と似たような形式と思われるただの問題集です。繰り返し問題を解くのみですが内容がなんというか思っていたものと違いました。

大まかに「IT技術トレンド」と「ビジネストレンド」の分野ですが、一時期話題になったものの、その後ほとんど目にすることがなくなった技術用語や、サービスの商品名を問われる問題が多すぎるように感じました。時期的には2012年頃から2018年頃の話が多く、これはAIの進化のきっかけとなる深層学習が大ブームとなった頃からこの検定が創設されるまでの時期なので、今となっては少し古い感じがします。

学習していても、商品名や用語の意味を覚えたり理解することにあまり興味もわかず、今後役に立ちそうな学びを実感することはできませんでした。eラーニングの受講期間は1カ月ですが、一通りやってみた後しばらく放置することになり試験直前に60問の練習問題を5周ほど行いました。

試験について

自宅でWeb受験が出来ます。受験可能な日時は指定されており、60分間で120問に回答しなければならないため資料を見たりインターネットで調べることは出来ません。115問あたりで時間切れとなりました。

本試験の問題もeラーニング教材と傾向は同じでした。覚えている範囲ですが、おそらく時期的に最新と思われるのが次のような問題です。

化石燃料に変わるクリーンエネルギーとして注目されているものはいくつかあるが、燃料としてどれが優れていると一概に判断できない現状がある。国内大手重工3社では、IHIは(A)、川崎重工業は(B)、三菱重工業は(C)に注力して発電技術の開発研究を推し進めている。

こういう問題はDX推進人財として必要な知識なのでしょうか。シラバスには「カーボンニュートラル、スマートグリッド、GX」とあるのでクリーンエネルギーとして水素以外にアンモニアが注目されていることや、ペロブスカイプ太陽光パネル・マイクロプラスチック・全固体電池などそのあたりのキーワードは押さえていたつもりですが、このような問題の傾向に苦戦しました。

試験結果

オンラインの試験はその場で結果が出るのが当たり前と思っていたのですが、結果が参照できるのは、なんと1カ月後です。平均点や偏差値が出るなら即時とはいかないでしょうが1カ月もかかる理由はどう考えても思いつきません、DXとは?

私のスコアは「DXエキスパートレベル」(700点以上)でした。スコア600点以上が「DXスタンダードレベル」、800点以上で「DXプロフェッショナルレベル」として認定証が発行されます。

受験後の気づきと今後の活用

先に挙げたビジネストレンド問題の例は、日経新聞の記事を参考に作問されたものかと思います。

「水素かアンモニアか 分かれる三菱重工・IHI・川崎重工」(2024年1月23日)

電子版含め新聞を購読しておらず、TVの報道番組を視聴する習慣も無いことから、ここ数年の私はビジネストレンドに疎くなっていたことを痛感することになりました。新しい動向や変化に敏感であるべき立場なのに、十分にキャッチアップできていないことを反省し、今後は意識的に情報収集と学習に努めようという意識を持つことが出来ました。

今回の結果を踏まえ、今後「DXプロフェッショナルレベル」を目標に学習・再受験するかというと、そのつもりはありません。また、企業内でDX推進人財の育成・教育という目的であってもあまりおすすめできるものではありません。

まとめ

ビジネストレンドへの感度が鈍っていたことへの反省のきっかけとはなりましたが、「デジタル技術によるビジネスへの利活用を考えるDX推進人財」の育成目的とはならない内容だと感じました。
中小企業にとって、DX推進人財は企業の成長力と競争力強化のカギを握る存在となります。DX推進人財に必要なスキルは以下の3つであると考えます。

  1. デジタル技術の実務スキル 各種ITツールやデータ分析、セキュリティなどの知識と実践能力
  2. 問題解決能力と柔軟な思考 課題を迅速に解決し、新しい技術に適応できる能力
  3. チームワークとコミュニケーション力 専門知識をわかりやすく伝え、協力してプロジェクトを進める力

これらのスキルを強化するために、体系的な研修プログラムを導入し、定期的にスキルアップの機会を提供るることが大切です。

企業全体の成長に貢献できる人財育成については、ぜひ弊社にご相談ください。

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